息子が2歳になりました。
我が家では、妻が絵本好きということもあって、沢山の絵本を子どもと読んでいます。子どもも絵本が大好きで一人でもよく眺めています。
しかし、父親である私は、あまり絵本に興味がありませんでした。子どもに付き合って、仕方なく読んであげるものでした。
それでも、妻が図書館で借りてきたり購入したりした沢山の絵本に触れていたら、絵本作家の名前を徐々に覚え、妻の絵本関係の話題にもついていけるぐらいに詳しくなりしました。
さらには、私自身好きな絵本、面白い絵本に出会えたりして、段々と絵本が好きになってきました。
正直、あんまり好きでない絵本もそれなりにあって、疲れているときに、それらの本を子どもが読んで欲しいと持ってこられると、「しょうがない、読んであげるか(心の中でボソッと)・・・」とか、「お母さんに読んでもらったら」と言ってしまうこともあります。
反対に私自身も好きな絵本を、子どもが読んでと持ってきたら、「よっしゃっ!お父さんが読んだる!」という感じで、ノリノリで子どもと一緒に絵本を楽しめます。
そんな絵本が増やせていけたらなと思っています。
今回は、父親である私と息子1〜2歳の時に一緒にハマった絵本を紹介します。
わにわにの絵本シリーズ
文:小風さち/絵:山口マオ/福音館書店の「わにわにの絵本」シリーズ。
わにわにの日常を描いているだけなので、これといって派手なストーリー展開はないのですが、語感の面白さやリズム、言い回しがシュールな感じで面白く、また絵も文に似合った感じのキモカワさを備えていて好きです。
絵本専門店でジャケ買いした「ワニワニのおふろ」を皮切りに、シリーズ全5冊を買い揃えました。
(子どもでなく私が妻にねだって買ってもらいました)
まず、シリーズを通して絵が好きです。普通、絵本って絵が可愛すぎるんですよね、男の私としては、なんだか抵抗があります。でも、わにわには違う。全くカワイくない!笑 あの妙にリアルで可愛げがなく、子どもに媚びない感じのわにわにがわたし的にツボ。
ストーリーはじつに単調ではありますが、文がリズミカルに構成されており、また表現されている擬音がちょっと変わっていて、例えばわにわにが歩くときは「ずり づづづ ずり づづづ」、体を拭くときは「ぐにぐに ぐなっぐなっ」と面白く、読んでいて飽きません。
全5冊(5話)あり、全部おすすめではあるのですが、特に好きなわにわにのごんそうとわにわにのおでかけをピックアップしてみます。
わにわにのごちそう
ワニの”わにわに”は、おなかが減ったので台所へ行って、料理を自分で作って食べるというお話。
じつに突っ込みどころが満載です。
絵的にはリアル系のワニなのに、肉をわざわざ焼くのかよ!とか、スプーンとフォークを準備したのにそうやって食べるのかよ!とか、めっちゃ食べ散らかってるし!とか。大人でも笑えます。
作中の小物で登場している”wani milk”や”わにしょうゆ”が地味に気になる。
息子は、ワニワニが食べたり飲んだりしているシーンで、ガブッガブッムチャッムチャッグビッグビッていう音をよく自分も食べるときに真似していていました^^;あと、作中の「おいしそうな にく!」というシーンも気に入っているようで、本物の肉にやたら反応するようになりました。
わにわにのおでかけ
このシリーズの中で、個人的ベストは「わにわにのおでかけ」です。
他の回は、わにわにの家の中での生活を描いているのですが、この回だけ唯一、家の外に出て夏祭りに行く話でした。
これがまた、ものすごくノスタルジックな気分に浸れます。
花火の描写も綺麗で、超好きです。
息子の反応もよかったです。特に花火のシーンが印象的だったようで、一人でそのページをじっと眺めて、どーんどどーんとか言っていました。
夏祭りの話なので、夏に読むのがオススメです。
5冊セット
我が家では5冊バラバラで買ってしまいましたが、全部揃えるんだったら5冊セットがおすすめです。
その他、シリーズの詳細は、以下の福音館書店のサイトをどうぞ。
はたらく のりものえほんシリーズ
作:竹下文子/絵:鈴木まもる/偕成社の「はたらく のりものえほんシリーズ 」です。
うちの子は男なので、とにかく乗り物が大好き。そんな、息子にドストライクな絵本がこのシリーズです。
そして、わたし的に好きなポイントは、爽やかなこと。読んでいて気持ちがいいんですよね。
読み終わると清々しい気分になり、自分も仕事を頑張ろうかなーとか思っちゃったりもします。
「はたらくのりものえほんシリーズ」シリーズに共通しているのですが、このシリーズの絵本は、良い空気に満ちていて読んでいてとにかく気持ちがいいんですよ。
あと、背景がよく書き込まれていて、伏線が散りばめられていたり、別のストーリーが展開されていたりして、読むたび新たな発見があって大人でも楽しいです。
時には子どもに「あっショベルカーだっ!」と背景の山の中に物凄く小さくポツンと描かれていたショベルカーを指さされて、大人がはっ!気づかなかった!と驚くこともあります。
このシリーズの中でも、とくに私が好きなのは、「うみへいく ピン・ポン・バス」と「ざっくん! ショベルカー」。
「うみへいくピン・ポン・バス」
「はたらくのりものえほんシリーズ」には、バスの話が2つあります。「ピン・ポン・バス」と「うみへいく ピン・ポン・バス」の2つです。わたし的には「うみへいく ピン・ポン・バス」の方がストーリーが洗練されている気がしておすすめです。
ストーリーは、駅から海まで行くバスの社内の様子を描いた作品です。色々な場所に止まり、様々なお客さんの乗り降りする様子です。
海が見えてきた時やお客さんを降ろして一仕事終えたあとの描写が、とても爽やかで清々しい気分になります。
作中全体では、あの海へ行くときのワクワク感が上手く詰まっていておすすめ。
「ざっくんショベルカー」
大小3台のショベルカーとオペレーターのお兄さんの一週間の仕事の様子を描いた作品です。
工事の現場に合わせて、大小3台のショベルカーを使い分けて、仕事をしていきます。
ショベルカーって、こんなに沢山の種類の仕事ができるんだ!と面白かったです。
ショベルカーは、子どもと散歩していても町中でよく出会えるし、トラックやバスなどのように直ぐに走り去ってしまうこともなく、じっくりと働いている様子を見ることができるので、子どもにとっても馴染み深いはたらくのりものです。
この絵本を買ってからは、本物のショベルカーを見るたびに「あっ!ざっくんショベルカーだっ!」と言って、以前よりいっそう喜んでいます。
息子は、「はたらくのりものえほんシリーズ」どれもお気に入りの様子で満遍なく読んでと持って来ます。
というか、絵本の内容というよりも、ただ働く乗り物が登場するだけで大興奮しています。
今、家にあるのが、「ピン・ポン・バス」(うみへいくじゃない)と「ざっくん!ショベルカー」「みんなで どうろこうじ」です。他は図書館から借りてきて読みました。
「うみへいく ピン・ポン・バス」は、是非ゲットしたいと思っています。
シリーズの詳細は以下からどうぞ
検索 | 偕成社
スズキコージ創作絵本シリーズ
スズキコージの絵は、絵と話が独特なことが特徴です。
絵の独特さというか毒々しさにより、私自身、苦手意識があったのですが、読めば読むほどこの絵本の魅力がわかってきました。噛めば噛むほど味が出るスルメのような絵本です。
結構破天荒なストーリーの物が多く、シュールだったりブラックな要素が盛り込まれていることもあり実に面白い。
絵は一見ぐちゃぐちゃに描かれているようなのですが、よく見るとかなり細かいところまで描かれていて、一度読んだだけでは気づかないこともあります。「はたらくのりものシリーズ」といい、私は背景がしっかり書き込まれている絵本が好きなようです。まあ絵本は何度も何度も読むものなので、読み手側がその方が飽きにくいですからね。
私と息子が好きなスズキコージ創作絵本シリーズの「エンソくん きしゃにのる」と「ガッタンゴットン」をピックアップしてみました。
エンソくん きしゃにのる
エンソくんが始めての汽車に乗り、おじいさんの家に遊びに行くというストーリーです。スズキコージの独特な世界が広がっていて、じわじわとハマります。
まずネーミングが独特。主人公の男の子の名前「エンソ」、町の名前は「ほげたまち」となかなか意味不明。そして、絵が強烈。絵本の裏表紙を見てみてください。たくさんの汽車の窓から顔を出している羊たちが描かれています。その様子は、可愛いどころか不気味で気持ち悪い。でも不思議と子どもも私も惹きつけられてしまいます。
この記事を書くにあたり、この魅力はなんなんだろうとあらためて考えてみましたが、答えは出ませんでした。
お父さん的にはちょっと話が長くてダルさもありますが、読み始めるとグイグイとその世界に惹きこまれていってあっという間に読み終わってしまいます。
息子は1歳3ヶ月の時に空前のブーム到来で一ヶ月以上毎日読んでとせがんできました。歯磨きとか、嫌がりそうなことの前によく読んでましたね。助かりました。
ガッタンゴットン
これまた謎の魅力を持つガッタンゴットン。タイトル通り、文はほとんど「ガッタンゴットン」だけで、読むのが楽なのもお父さん的に◎
ストーリーは、もはやなし。トロッコがただ走っていくだけ。絵もダークで不気味です。だけどなんか好きなんです。
息子的には、エンソくんの汽車もそうなんですが、乗り物ということで大喜びです。嬉しすぎて、げへげへ笑いながら聞いてくれます。
スズキコージのシリーズの詳細は以下からどうぞ
スズキコージ公認ホームページ ZUKING: BOOK LIST
ガッタンゴットン …
絵本を読むってやってみるとそんなにハードルの高いものではないです。
図書館に行けば本はいくらでもただで借りられます。
体力のついてきた2歳の息子と全力で遊ぶより疲れないし、頭もまわさなくていい。
読み聞かせの時間は、膝にのせた息子のぬくもりでなんだかほっこり・・・
という訳でお父さんにも是非、お子さんと絵本タイムを楽しみましょう!