1世代前のMacbook Pro(以下、MacBook)を愛用してます。
購入当初は、どのストレージ容量にしようか悩みました。
同じスペックでもストレージ容量の差で値段が違う。128GBと256GBで価格差は約2万円。
128GBだと将来容量不足になるのは目に見えているけど、2万円の価格差はデカイ。
かといって256GBでさえ足りるかどうか微妙・・・。
ストレージ容量不足の対策でMacBookに外付けHDDを常時接続する方法もありますが、手軽に持ち運べる自由さが魅力のノートPCに足かせを付けることになる。
iCloudやGoogle Driveなどのクラウドストレージもあるけど
- 月額コストがかかる
- いつか突然サービスが終わってしまうかも
- データのやり取りで必ず通信量を消費する
- データ転送が時によって遅い
などのデメリットが・・・。
そこでNAS。
NASなら大容量ストレージをwifiでワイヤレスに接続できます。
設定次第で外出先から家に設置されたNASにアクセス可能。
そしてMacBookのストレージ容量に関わらず、どのみちバックアップは必須。
NASならMacBookのサブストレージにもなるし、MacBookのバックアップにも使える。一石二鳥。
こういう理由で、高価な大容量ストレージのMacBookではなく、安い128GBモデルのMacBookとNASを買ったほうが良いと判断しました。
購入したNASはSynology『DS118』。
今回はSynology NASについて、Macユーザーの私は↓のような使い方をしています。
詳しい使い方やその設定方法を紹介します。
NASとは?
NAS(Network Attached Storage)、読み方は「ナス」。
その名の通り、LAN(ネットワーク)に接続できるストレージです。
家にあるルーターにNASを接続すれば、LANケーブルやwifiで繋がっているPCやスマホからNASにアクセスできます。
PCやスマホ間のデータのやり取りにも便利。
家族みんなで使えます。
さらに外出先でもネット環境があれば家のNASにアクセスできるのです。
外付けHDDを持ち歩く必要がなくなります。
Synology DS118を選んだ理由
NAS上で動くアプリが充実しており、様々な機能を拡張できるSynologyにしました。
アプリのアップデートも頻繁に行われているのも魅力的です。
(↑DS118サイドパネルのロゴ。スリッドが入っていて、ここから空気を吸い込み内部を冷却)
Synologyのモデルナンバーは、1桁目は搭載可能ドライブ数を、2〜3桁目は製品の年代を表しています。
私の購入したDS118は、搭載可能ドライブが1台の18年(2018年)モデルになります。
一般的には値段と機能のバランスがよい2ドライブのモデルを選び、2台のドライブをミラーリングして運用します。
私はあえて、1台しかドライブを搭載できないDS118を選びました。
理由は「NAS本体の故障が波及して内蔵ドライブまで壊れるリスク」(そんな故障があるのか不明ですが・・・)と「誤って人為的に必要なデータを削除してしまうリスク」を考え、NASのデータを数日間隔でNASに接続した外部HDDへバックアップする運用の方が良いと思ったからです。
搭載できるドライブ数が増えるほどNAS本体の値段が高くなるので、ドライブを2つ以上搭載できるNASよりも、上記構成の方がNAS本体の値段分、ちょっとお得です。
使い始めて思ったのが、Synologyはヘルプが充実していて良いです。
内容も豊富だし、バッチリ日本語化されており、画像付きで分かりやすいヘルプです。
Synology、オススメです。
Synology NASの初期設定
Synology NASの初期設定を詳細に書こうかと思ったのですが、あまりにも簡単なので、ここではサラッと概要だけ紹介します。
Synology NASへドライブを取り付け
付属してくる説明書は、文字は一切なしで図オンリー。
文字がなくても迷うことなく組み立てできました。それぐらい簡単です。
NAS本体のサイドのカバーをスライドして分解します。
↓内部のトレーに
↓ドライブを差し込み
ドライブ1つ辺りネジ5つで固定。
NAS本体のサイドカバーを閉め、ネジ2つでカバーを固定。
ネジは小さいので↓こんな精密ドライバーがあった方が良いです。(100円ショップで購入可能)
ちなみに、ドライブは別売り。
相性問題などはほとんど聞かないので、好きな容量の好きなブランドのものを買えばOK。
気になる場合は、メーカーの動作検証済みドライブを確認してから購入してください。
私は、Amazonで比較的安かったSeagate BarraCuda ST2000を使っています。
自宅のルーターとNASをLANケーブルで接続
NASに付属してきたLANケーブルでルーターとNASを接続します。
NASの初期設定
自宅のネットワークに繋がったPCのwebブラウザーからURL「find.Synology.com」を入力します。
すると接続したNASの検索が始まります。
↓無事に見つかりました。
↓設定ウィザードに従ってクリックしていきます。
↓サーバー名やNASにログインするためのユーザー名、パスワードを登録します。
↑外部からNASにアクセスしたい場合は、設定ウィザードの途中に出てくるQUICK Connectのアカウント登録をします。(後からでも登録可能です。)
↓設定が完了すると、webブラウザ上にPCのデスクトップのようなNASのホーム画面が現れます。
↑この画面から様々な設定もできるし、ファイルをドラッグアンドドロップすればNASへファイルを保存できます。
ホーム画面にある「File Station」がこのNASのファイラです。
また「パッケージセンター」から様々の機能の拡張ができるアプリをダウンロード&インストールもできます。
ホーム画面の右下にあるのはウィジェット、表示したい項目を色々と設定できます。
ブラウザ上でPCを操作しているような感覚。
ブラウザ上で操作しているのに、うっかりMacのジャスチャーで「戻る」や「ウインドウを閉じる」をやって、ブラウザ画面を遷移させてしまうということがよくあります^^;。
このページはwebブラウザへお気に入り登録しておくといいです。
この手のネットワーク系の設定って苦手で、今までに散々苦労したことがあるのですが、Synology NASは、ノートラブルで簡単に設定が完了できました。
(↑DS118の全面。ステータス・LAN・DISK・電源ボタンのシンプルな構成)
Mac Finderの共有ドライブとしてNASを追加
外付けUSBストレージを接続した時と同じように、FinderからNASへアクセスできるように設定します。
Finderの「移動」→「サーバーに接続」→「サーバーアドレス」に↑でwebブラウザに表示したNASホーム画面のアドレスを貼り付け、先頭のhttp:// をsmb:// に置き換えて登録します。
例:smb://192.168.0.2
ユーザー名とパスワードはNASで設定したものを入力。
Finderの”共有デバイス”にSynologyのNASが登録され、NAS内のストレージにアクセスできるようになります。
(我が家のNASの名前は”DS”です。その名前が共有デバイスに表示されます↓)
これでMacBookのストレージを圧迫しているデータをFinderを使ってMacからNASへ移動できるようになりました。
私は主に容量が大きく使う頻度が少ないけど、たまに見たくなる1年以上前の写真データをNASに保存しています。
ちなみに写真データはAdobeのlightroomで管理しています。
Finderで共有ドライブの設定をすればlightroom上でも写真データをNASへ移動したり、NASに保存されている写真を編集したりできます。
Time Machine保存先をSynology NASへ
容量の食うTime Machineのデータ保存先もNASに設定しました。
方法は↓の公式ページを見たほうが分かりやすいかな。
↑をざっくり設定手順を要約すると
- Time Machine用のフォルダをNASに作る
- ↑のフォルダへアクセスできる専用のユーザーを作成する
- NASの「コントロールパネル」-「ファイル サービス」からTime Machine用のフォルダの設定を行う
- macのTime Machineの保存先設定でNAS上に作ったTime Machine用フォルダを選択する。(このときのユーザー名とパスワードは↑でTime Machine用に作成したユーザーを使用する)
(↓MacのTime Machine設定画面)
Macでよく使用するフォルダをNASへ同期
MacBook内蔵ストレージに保存されているファイルをNASと同期しておけば、他の端末(Androidやios、Windowsなど)でも見れて便利です。
バックアップの観点からも、Time MachineがあるもののMacが壊れたときに安心です。
そこでSynologyのアプリ「Cloud Station」を使用することで、iCloudやGoogle Driveのようなクラウドストレージの同期フォルダと同等なものを作れます。
NASとPCの両方に「Cloud Station」アプリをインストールします。
NASへのアプリインストールは、webブラウザからNAS操作画面にある「パッケージセンター」で対象アプリをポチればOK。
スマホにアプリをインストールするのと同じ感覚で簡単。
あとは同期(リンク)したいNASとPCのフォルダーを設定をするだけ。
同期方法も双方向など色々と設定できます。
さらには、過去の同期内容へ遡れるバージョン管理も可能なので、バックアップに最適です。
バージョン管理の設定も色々イジれるので便利です。
私の場合、MacBookのデスクトップ、ダウンロード、ドキュメント、ピクチャの4つのフォルダーを同期フォルダに指定し、これらのフォルダのデータがNASに自動的にバックアップされるようにしています。
外部からSynology NASへアクセスできるようにする
Quick Connectを使用する
LAN内(家の中)のデバイスからNASにアクセスするのが基本ですが、設定しだいでLAN外(外出先)からでもNASにアクセスできます。
Synologyが提供しているサービス「Quick Connect」を使うと難しい設定が不要で手っ取り早いです。
Synologyでアカウント登録し、好きなQuick Connect名を設定すれば使えるようになります。
Quick Connectのアドレスをwebブラウザに入力すれば外出先でもNASにアクセスできるよになります。アドレス例:http://○○○.quickconnect.to/
ただしブラウザからのみのアクセスとなります。
ブラウザを使ったファイルの受け渡しは問題なくできるものの、MacのFinderからはアクセスできません。
外出先でも、家の中にいるかのようにFinderから共有ドライブとしてアクセスするには、次のwebdavが必要になります。
webdavを使用する
webdavを使う場合、DDNSを設定すると楽です。
DDNSはNASのIPアドレスにリンクするドメイン名を指定できます。
Googleのサービスをはじめ、様々なDDNSプロパイダが選択できますが、私は無難にSynologyのサービスを選択しました。
SynologyのDDNSだと「◯◯.synology.me/」というドメイン名を取得できます。
詳細は↓を参照。
そしてNASに「webdav」アプリをインストール。
Finderの「サーバへ接続」にアドレス(例「http://○○.synology.me:5005」)(5005はNASでwebdavアプリで設定したポート番号、デフォルトだと5005)を入力し、ユーザ名とパスワードを入力すれば完了です。
(↓NASのWebDAV設定画面)
詳細は↓。
これで外出先でもFinderでNASのストレージへアクセスできるようになります。
私の場合、上でも紹介したとおり、写真管理でlightroomを使用しているので、このwebdav接続をできるようにしておくと、外出先でもlightroomからNASの写真を編集・閲覧できるので重宝しています。
NASデータをまるごと外部ドライブへ自動バックアップ
私の購入したNAS(DS118)はドライブを1台しか搭載できないので、NASに搭載したドライブの故障に備えたバックアップが必要です。
(2台以上のドライブを搭載できるNASでミラーリング運用し、障害に備える方法もあります。)
(↑DS118背面にUSB3.0対応のポートが2つあり、そこへHDDを接続しています。)
私は↓のようなSATA-USB変換ケーブルを使用し、普通の3.5インチHDDをNASのUSBポートに接続しています。
USB接続したHDDはNASの「コントロールパネル」-「外部デバイス」で当該HDDをフォーマット。
バックアップを自動化するために「HYPER BACKUP」というNASアプリを使用します。
このアプリを使用すれば、USB接続した外部ドライブへNASのデータまるごとバックアップすることができます。
バックアップ設定も豊富で、MacのTime Machineのようなバージョン管理の設定できたり、毎週何曜日の何時にバックアップを開始するといったスケジュールも設定できます。
(↓バックアップスケジュール設定画面)
詳細は↓にて。
https://www.synology.com/ja-jp/knowledgebase/DSM/help/DSM/Tutorial/backup_backup
SynologyのNAS本体やNASに搭載していたドライブが壊れても、応急的にこの外付けドライブを直接PCに接続し、データを参照したりPCへ保存できます。
故障したNASが治れば、この外付けドライブをまたNASに接続し、「HYPER BACKUP」アプリから復元すれば、元のNAS環境に戻ります。
保存していたデータはもちろん、アプリ設定やユーザー設定、共有フォルダ設定なども復元されます。
私はNASを使い始めた時、HDDの初期不良で1ヶ月もしないうちにHDD交換した際、「HYPER BACKUP」のお世話になりました。復元作業はとっても簡単でした。
2ドライブでミラーリングしていれば、もっと簡単ですけどね。
ちなみに「HYPER BACKUP」を使えば、Google Drive、Amazon S3、Dropboxなどのクラウドストレージにも自動でバックアップすることも可能です。
まとめ&感想他
以上、Macユーザーの私がやってみたNASの設定でした。
予想通り快適に機能しています。
大容量ストレージのMacBookを買うのと、安い低容量MacBook&NASを買うの、どちらもトータルの値段は同じぐらいなので、データのバックアップもできて、色々と遊べる低容量MacBook&NASの組み合わせをオススメします。
今回紹介した設定は、MacからNASのストレージに容易にアクセスする設定とデータバックアップの設定といった基本的なものだけです。
Synologyには、豊富なアプリにより、メディアサーバーとして使用したり、メールサーバとして使用したり、ハイスペックなモデルだとNAS上でWindowsを動かせたりと、できることは山ほどあります。
まだまだ使いこなせていないので、少しづつ色々な機能を試していこうかと思います。
NASはスペックに拘らなければ、2ベイモデルでコスパの高いDS218jもオススメです。
終わり。